足立区の人権教育について視察

東京・足立区立の中学校で性を扱った授業の内容に対し、都議会自民党の古賀俊昭都議が「生徒の発達段階を無視した指導で、不適切」と批判しました。

授業は、冒頭で性の特徴について人間と他の生き物の違い、避妊の方法や人工妊娠中絶について触れ、その後具体的な事例を基にしたパネルディスカッションをしたり、中絶の実態として10代の割合が高いことや、中絶が法律的に認められている時期があること、避妊具の種類や入手方法についても触れています。

東京都教育委員会はこの授業に対し、不適切とはせず「課題」があった。「学習要領を超える内容を指導する場合には事前に保護者全員に説明し、理解を得た上でおこなう」などとしました。

足立区教育委員会を尋ね、担当者から区の考えを聞きました。

実施されたのは1校であり、人権教育重点校である。人権教育として総合の授業で1年生から順次段階を踏んで実施された。区は性教育との認識はないとマスコミにも答えています。さらにほかの学校での実施の考えはない。区に寄せられた区民からの意見も賛否があったようです。

実際の授業は、3年生を対象に行われ、「自分の性行動を考える~妊娠と中絶~」という名称で実施しました。学校が生徒に事前に実施した「妊娠・中絶」についてのアンケートで、知識の乏しさが明らかであり、確実に大人に近づいていく生徒に性の安全を保障するため、と説明しています。

理由があり、必ずしも「学習要領」にあわせるべき、とする批判は当たらないと思います。まして家庭で「性」や「避妊」を教えることは難しいことです。

人権に配慮し、かつ実態にあった教育。

生徒が孤立し相談することすらできない、そんな事態を避けるための「教育」を練馬区においても求めていこうと思いました。