性教育への介入を受け緊急集会報告

足立区の総合の時間での性教育に対し、都議会文教委員会の所属議員による「不適切」との発言があり、都教育委員会は関係者への「指導」を進めるとの答弁しました。同議員は学校教員側の勝訴が確定した七生養護学校訴訟での当時者でもあります。

4月13日、上記の発言を受けすべての人に性の学びを教育の自由をまもり、包括的な性教育をゆたかに進める4.13集会」(全国教育文化会館)が開催されました。

そもそも、なぜ足立区で性教育授業がおこなわれたのか。それは予期せぬ妊娠や性感染症といった被害が増えていているからなのです。今回の都議会議員の発言は、そうした問題に向き合おうとしていません。「寝た子を起こすな」と言いますが、子どもたちは寝てはいません。AVなどの偏った情報のみで異性との交際が始まることを危惧します。

集会での主な内容は①経過報告 浅井春夫さん(性教協代表幹事・立教大学名誉教授) ②七生の経験に立って 中川重徳さん(弁護士)と元原告団から③教育的な問題点 世取山洋介さん(新潟大学准教授)④世界の性教育と日本 橋本紀子さん(女子栄養大学名誉教授)⑤若者の現状と Chang.org での署名運動 染矢明日香さん(NPO 法人ピルコン代表) ⑥会場からの発言 ⑦前川喜平さんをはじめとしたメッセージ紹介 ⑧集会アピール確認でした。

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七生養護学校で実践されていた性教育の学びが禁じられただけでなく、教材まで没収されたという前代未聞の教育現場への介入によって、わが国の性教育は大きく後退しました。特に中学生では、学習指導要領に性教育の記載がなく、空白の15年となっています。しかし、世界的には日本の中学生に当たる年齢で「性行為」や「避妊」を教えることがスタンダードです。

集会の中では、自身大学生の頃、意図せず妊娠し、悩んだ末に中絶を選択したNPO法人ビルコン代表の染矢さんが「自分と同じような思いをする人を減らしたい。」と思い、その後大学内で学生向けに避妊啓発活動を始めたこと。ネットなどでの偏った情報ではなく「若者が性について気軽に学べる機会を増やしていきたい。」と活動していると報告しました。染矢さんは小学生の時に性被害にあいそうになり、情報がなかったことで誰にも相談できなかったことも伝えてくれました。染矢さんの話から、教育の現場で「性」を教えず隠していることで、危険性や対応について触れられていないので、幼い性被害者が声をあげることすらできなかったのだということがわかりました。

現状を放置することはできない、変えなくては、と強く思いました。