つなぐがキーワード、「地域包括ケアシステム尾道方式」~医療・高齢者等特別委員会視察報告

2015年12月24日 09時51分 | カテゴリー: 活動報告

尾道市立市民病院、地域医療連携室

視察先である尾道市立市民病院で「地域包括ケアシステム尾道(医師会)方式」の説明を受けました。

地域包括ケアシステムとは、2025年を目途に高齢者一人ひとりに医療・介護・福祉・保健のサービスが一体的に提供されるシステムの構築を目標にしています。

なかでも地域包括ケアシステム尾道方式とは、

①急性期病院と開業医が一体の地域医療連携。

②生活の質に重点を置いた保健・医療・福祉の多職種協働。

③社共や民生委員児童委員、公衛協(注)等との連携。

①~③をすすめるため、退院時のケアカンファレンスがおこなわれ、尾道方式の特徴となっています。

「尾道法式」退院前ケアカンファレンスとは

患者・家族が安心して在宅生活に移行できるように、多職種協働で情報共有をおこないます。

患者側からすれば、入院での患者としての「依存」から、地域に戻り支えあい生きる「自立」への移行が促されます。

ケアカンファレンスの参加メンバー

市立病院では退院前ケアカンファレンスを年間30件ほどおこなっていました。一回のカンファレンスは15分程度ですが、参加者は20名にも及びます。

院内参加者→病院主治医、病棟看護師、管理栄養士、リハビリ、薬剤師等

院外参加者→在宅看護・訪問看介護・介護士・民生委員・福祉用具・調剤薬局・介護タクシー・施設職員等

在宅支援看護師

尾道方式で大きいのは、看護師、コメディカルの存在です。市民病院では、認定看護師制度があり、安楽な療養のためのアドバイスをします。2011年より在宅支援看護師が外来・病棟に配置され、院内の看護連携の強化し、院内全体に在宅支援の意識を高め、良質で満足のいく在宅生活支援を目指し活動しています。医療者の考えを押し付けるのではなく、患者・家族が「どのように暮らしたいか」と考え、支援します。在宅支援の人材育成も担っています。

どうしたら、地域の多職種スタッフとのコミュニケーションがうまくいくか?

尾道法式は医師会方式とも言われ、地元医師会が、在宅療養に積極的だったことで普及しました。たとえばケアカンファレンスに主治医が参加するなど、他地域では難しいことですが、重要性が理解され、参加しています。さらに医師だけでなく、スムーズな在宅療養には、多職種スタッフの連携が欠かせません。市民院内だけでなく地域を巻き込むこと、地域医療介護支援を「つなぎあわせる」ことが重要であるとしています。「競争」から、「共存・協力」そして「協働」へ。そのための人材配置、病院内外への発信、人材育成、多職種連携の姿勢に感銘を受けました。

尾道方式の土台には、患者がサービスを受ける受身の存在ではなく、主体的に生きる「日常生活者」であるとの視点があります。患者の地域生活を応援するために、医療関係者、介護事業者がつながっていきました。

区内でも地域包括支援システム構築には、急性期病院と医師会との連携が必須だと感じました。区は練馬区在宅療養推進協議会を設置、医療関係者、介護事業者等の多職種の顔合わせや事例検討会が開催されています。情報紙「在宅で生きる」の発行も始まっていますが、それぞれの地域で多重層的な支援をこなう「人の配置」や、「アウトリーチの仕組み」、情報交換や交流のできる「日ごろからの関係作り」などの連携体制づくりが急がれます。今回の視察で学んだことは、患者本位の視点でした。区内でも患者を真ん中に。医療機関、介護事業所、地域のさまざまな団体や人の「協働」をすすめ、安心して療養できる体制を求めていきます。

注)公衛協は、住民自ら健康で明るい家庭、住みよい社会をつくるため、健康管理、公衆衛生、環境保全に関する意識の高揚を目的として、昭和36年(1961年)に設立され、公衆衛生募金により活動している特定非営利活動法人。

尾道市市立市民病院前にて