介護の社会化を後退させるな!~医療・介護改革法が成立

2014年6月20日 12時46分 | カテゴリー: 活動報告

6月19日付け朝日新聞より

618日、団塊の世代が後期高齢者となって高齢化がピークとなる「2025年問題」を見据え、医療介護を一体に改革する「地域医療・介護推進法」が、成立してしまいました。介護保険制度では「負担増・給付縮小」となる厳しい内容です。

 ① 一定の所得(年金収入なら年280万円以上)がある人の自己負担割合を1割から2割に上げる。低所得の保険料を軽減する一方、高所得者は上乗せする。

② 介護の必要性の低い「要支援者」向けの通所・訪問介護を、介護保険から市町村事業に移す。

③ 特別養護老人ホームの新たな入居者は、原則「要介護3」以上に限る。

これらの改革は介護保険制度での給付費削減を狙っていますが、現場の実態を把握していません。例えば、区内の要支援者は、プロのヘルパーが自宅を訪問して掃除や洗濯をおこなう訪問介護や、デイサービスなどへ行く通所介護サービスを受けることで、生活が支えられている人がたくさんいます。国が打ち出しているように地域支援事業としてボランティアが要支援者へのサービスを担った場合、身体機能の悪化のサインを察知できず、介護度がすすむ可能性があります。

また、介護の必要性の高さは、イコール要介護度の高さではありません。特別養護老人ホームの入居を重度者に制限すれば、高齢者のみ世帯、家族がいても介護力が弱い世帯は、自宅介護を何年も続けることで立ち行かなくなり、虐待などが増えることが予想されます。

 今後、高齢者の生活にとって重要なサービスは、自治体による取り組みにかかってきます。

62日、やない克子が区議会でおこなった一般質問では、「第6期介護保険事業計画改定にあたっての保険者としての責任の自覚と、介護の社会化に向けた区長の見解」を尋ねました。

区は「町会自治会やNPO法人等の多様な地域での活動、あるいは在宅療養や訪問介護等新たな取り組みを、これまでのサービスと組み合わせて提供する地域包括システムの構築を目指す。総合的な生活支援を地域社会に根付かせ、持続可能な介護保険制度の発展を図る。」と答えました。

多くの自治体が高齢者の生活への影響を考え、国の改革に対して反対していますが、区は危機感がありません。また、「地域包括ケアシステムの構築」を語ることで、理想に向かっているように錯覚しますが、地域ごとのインフラ整備や人的保障が無ければ格差が生じると指摘されています。

 医療・介護の在り方は、その地域の高齢者にとって必要なものを探るニーズ調査や、関係者の意識調査を土台とすべきです。その上で、サービスの質の確保が優先されなくてはなりません。国の改革では、本人・家族の自己努力が求められ、介護の社会化を後退させる内容です。区は自治体として国に対し、高齢者の生活を守る観点から、意見を申し述べることが必要です。高齢者それぞれの暮らしの検証をせず、介護保険制度の発展を図るとするのは、本末転倒です。

 介護の社会化をすすめ、介護する人・される人が置き去りにされない、その人らしく生きられる高齢者支援を求めます。